四国こんぴら歌舞伎大芝居を彩る「のぼり」に使われる伝統の技「讃岐のり染」を体験

ライブ5時 いまドキッ!
香川県琴平町にやってきました。
琴平といえば"こんぴらさん"。そして"四国こんぴら歌舞伎大芝居"ですよね。
この"こんぴら歌舞伎"に関わる伝統の技に今回は触れたいと思います。

 
こんぴらさんのお膝元・大正元年1912年創業の『染匠 吉野屋』です。



こんにちは。今日よろしくお願いします。
皆さん見てください。
琴平町と言ったら"四国こんぴら歌舞伎大芝居"。
それに欠かせない「のぼり」ですよね。
「のぼり」作っていらっしゃるんですよね。


(四代目 大野篤彦さん)そうですね。こんぴら歌舞伎大芝居の「のぼり」に関しても、第1回目(1958年)から(吉野屋で)染めさせてもらっています。


その「のぼり」を染める技法が・・・『讃岐のり染』
 
琴平の春を彩る「のぼり」に用いられる『讃岐のり染』とは、もち米で作られたのりを色付けしない部分に置いて染める技法のこと。
香川県の伝統的工芸品に指定されているんです。



(四代目 大野篤彦さん)素晴らしい日本の伝統的な染色技法だと思うので、しっかり後世に残せるような仕事として、ちゃんとやっていきたいなと思ってます。


その技法をこちらで体験できるんですよね。
 
(四代目 大野篤彦さん)そうですね、そういう伝統的な技術に触れてもらうということで、簡単なワークショップをさせてもらっています。
 
体験できるのはオリジナルトートバッグ作り。


茶色の部分は既にのり付けされているので、それ以外の場所に色をつけ、自宅でのりを落としたら完成!というこの体験、15種類ほどあるバックの模様は全て家紋なんだそう。


私は「麻」の家紋を選びました。大野さんによると、「麻」は縁起の良い柄とされていて、琴平ではかつて「麻」を栽培していたという背景もあるそうです。


これどうやって色付けしていけばいいでしょうか?
 
(四代目 大野篤彦さん)ここにいろんな色があるので、この中から自分の好きな色を作っていただいて、はけがあるので、これで染色していきます。


 
わかりました。本当に自分の好きなように塗っていけば...?色のセンスとか私自身がないんですけど...。
 
(四代目 大野篤彦さん)一色でもきれい綺麗だし3色ぐらいで抑えると、すっきり仕上がるかと思います。
 
大野さんのアドバイスを受け、早速作業開始です。

接着剤の役割をする液体と染料を混ぜ合わせて、自分好みの色を作っていきます。

この色すてき!



よいしょっ!あっ、いい感じじゃないですか...。
 
枠からあまりはみ出ないように、刷り込むように。
 
これ意外と難しい。
 
でも、いい感じに塗れてるんじゃないでしょうか。


まずは1枠目。
 
多少はみ出しても、のりと一緒に取れるので問題は無いんですが...。


なかなか難しかったです。そうすると見守ってくれた大野さん。
 
(四代目 大野篤彦さん)かわいいですね、配色が。
 
ありがとうございます。褒めてくれました(笑)。


 
きゃあぁぁあぁ!大丈夫(涙)!?
 
(四代目 大野篤彦さん)それはセーフ、それはちょっとそのまま置いとったらいい。


塗り進めること約1時間。
 
ようやく塗り終わりました。
 
これはご愛嬌ということで。一粒(色を枠の外に)落としちゃった(涙)。


綺麗に仕上がるようにと、大野さんが失敗した部分を修正してくれました。
 
最後にドライヤーでしっかり乾かしたら体験は終了です。


あとは自宅で水に3時間ほどつけ、のりを落として乾燥させたら出来上がりです。


体験して、どんなことを感じて欲しいですか?
 
(四代目 大野篤彦さん)そうですね、昔から残ってきてる染色技術、技法なので、そういうところに触れてもらいながら、こういうデザイン、昔の人たちが考えた家紋っていうものに一緒に触れてもらいながら考えながらやっていただきたいなと。


確かに、こんな家紋があるなんて知らなかったので、とてもいい勉強になりました。
 
本当に体験も楽しかったです。
 
どんなトートバッグに仕上がるのか!?スタジオに持っていきますのでお楽しみ!


ということで持ってきました。
 
じゃ〜ん、岡田特製トートバッグです。色をグラデーションみたいにしてみました。



ちょっと、ついてますね(笑)。

大野さんが何とか修正してくれたんですけど。
 
本当に今回体験してみてまたわかったんですけど、どんな大きなものも全て手作業で「讃岐のり染」されてるそうなんですね。
 
時間をかけて思いを込めて作られているということなので、今回のワークショップを通して、本当にこの伝統的な技法を守っていかねばというふうに思いました。
 
体験は予約必須、できれば1週間前までに連絡をしてほしいということでした。


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『染匠 吉野家』
※予約必須・1週間前までの予約推奨
場 所:香川県仲多度郡琴平町旭町286番地
営 業:9:00〜17:00
    ※体験は10:00〜16:00
メール:kotohirayoshinoya@gmail.com
『染匠 吉野家』検索
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