淵本 文枝

北大路魯山人展

2018年9月21日

岡山市北区幸町の岡山・吉兆庵美術館で、北大路魯山人展~五感で味わう美~が開催されている。

12月2日まで。

宗家源吉兆庵がコレクションしている魯山人の作品の内、88点が展示されている。

大鉢・雲錦大鉢は桜ともみじの絵付けで、42センチという大きさ。

備前焼も魯山人が料理を盛る器としての魅力を広めたそう。

書家としての才能は皿の「福」の文字に、篆刻家としての才能は魚形の箸枕に表れ、多彩な才能に満ち溢れた魯山人の全容がわかる。

館内には茶室があり、魯山人の軸、器、徳利、ぐい飲みなどが配置され、贅沢な空間となっている。

およそ2年ぶりの魯山人展という事なので、ゆっくり鑑賞して美的感覚を養ってみては?

 

午後は岡山市北区出石町のアートスペース油亀にお邪魔。

馬渡新平のうつわ展が9月24日まで開催中。

北海道、余市に工房を持つ馬渡氏は一年の内半分は雪の下となっている北海道の荒い土を、その特性を生かして日常に溶け込む器を作り上げる。

鉄分を豊富に含む野幌の粘土で形を作り、蘭越の白色の粘土をブラシなどで押し当てて塗り、木を灰にした、灰釉に漬ける。

窯の温度に細心の注意を払い、灰釉が溶け出す瞬間を逃さない。

そして独特の茶色い斑点やちじれ模様が浮かび上がる。

余市は果物の産地で、りんご、なし、さくらんぼの木を使ったフルーツ灰で釉薬を作り、それでライトグレーのとろんとした質感が生まれている。

関東では人気陶芸家だが、中四国では初の個展、油亀の柏戸さんが何度も北海道に行って1年がかりで製作、準備した展覧会です。

北海道の大地を感じる素朴な感じに、作家の丁寧な物作りの姿勢とセンスが感じられるこの個展は24日まで。

800点以上のラインナップ。育つ器、だそうです。