5月20日(水)よる7:00~8:00
中村屋三代 桜花の如く~四国こんぴら歌舞伎大芝居 秘話~
満開の桜の花が咲くころ、四国琴平に歌舞伎がやってくる。35年前に始まった四国こんぴら歌舞伎大芝居だ。
江戸時代に作られた現存する最古の芝居小屋旧金毘羅大芝居、通称金丸座は時の流れと共に一度は朽ち果てかけた。その昔ながらの風情を残す金丸座に、再び命を吹き込んだのが中村吉右衛門と澤村藤十郎、そして後に十八代中村勘三郎となる当時の中村勘九郎だ。
中村屋と金丸座には不思議な縁がある。第3回のこんぴら歌舞伎の舞台に上がったのは人間国宝十七代目中村勘三郎。当初は乗り気でなかったというが、その舞台に魅了され、次の年も座頭として再び訪れることを約束していた。しかし、その願いが叶うことはなかった…。また父の思いを受け継いだ十八代勘三郎も約束の舞台を果たすことなく、その生涯を終える。
桜花の如く咲き誇り、舞台の上で命の火を燃やし尽くして散った二人の中村勘三郎。その思いは次の中村屋、六代目勘九郎と二代目七之助に受け継がれていく。
四国こんぴら歌舞伎大芝居立ち上げ当初から残る、二人の勘三郎を含め数々の歌舞伎役者の舞台映像と秘蔵のインタビューから、中村屋三代と四国こんぴら歌舞伎の不思議な縁を紐解く。