活動報告 2日目
豊かな海をつくる「里海づくり」について知ろう!
里海づくりとは?
豊かな海を目指すために、自分たちにできることは?
海に関わるたくさんの人たちが考えて、試してきた「里海づくり」について学びました。
1日目の学習で、このままでは今はまだ豊かな瀬戸内海も、生き物の住みにくい環境になるかもしれないと気がついた子どもたち。
「豊かな海を守るためにはどうすればいいの?」
「自分たちにできることは?」という疑問を胸に、海上タクシーで白石島へ向かいました。
笠岡諸島の真ん中に浮かぶ白石島は、周囲約10キロののどかな島です。
ここで、豊かな海をつくるための取り組み「里海づくり」が進められています。
まず、これまでに海に関わる人たちが考えて、試してきた「里海づくり」の方法について学びました。講師は、NPO法人里海づくり研究会議の田中丈弘さんです。田中さんは、国内だけでなく海外にも「里海づくり」の方法や重要性を伝えている、この道の第一人者です。
「里海づくり」の目的は、たくさんの種類の生き物が生まれ育つ海をつくること。 田中さんは、白石島の海に魚が住みやすい環境を整えた「海洋牧場」を整備し、その効果を見守っています。
「海洋牧場」は、里海づくりの代表的な事例です。
海の中に魚のえさ場、かくれ家となる「人工魚礁」を設置し、魚の発達段階に合わせて住みやすい環境を整備しています。子どもたちは、いろいろな種類の魚が住みやすい場所をどのようにして作っているかを学んだほか、「海洋牧場」を整備してからの漁獲量の変化など「里海づくり」の効果についても学びました。
瀬戸内の里海「海洋牧場」を観察しよう!
白石島の周りに作られた里海、海洋牧場。
魚が住みやすくなるために、人が手を加えた海の中はどんな様子かな?
次に、みんなで実際に里海を観察するため海へ!
白石島の周りに作られた海洋牧場の海の中を観察します。
さて、どんな魚たちが住んでいるのでしょうか?
途中で、海洋牧場の位置を確認しました。
「あのあたりに人工魚礁が設置されています」
と、笠岡市漁協の原田房行さんに教えてもらいました。
海の中の様子は、西日本メタルさんの協力で水中ドローンの映像で確認します。
浜辺に設置したモニターに、人工魚礁から送られてきた映像が映し出されました。
この日は酷暑で水温が高すぎたため、残念ながら魚の姿はあまり見られませんでした。
海水温の上昇も、「暮らしやすさ」を魚からうばっている要因だと改めて感じさせられました。
今回は特別に、ふだんの魚が多い日の映像も見せてもらいました。たくさんの魚が「人工魚礁」を出たり入ったり。人の手によってつくられた場所で海の生き物が元気に暮らしている様子が見られました。
魚の住みやすい家とは?
「人工魚礁」を調査しよう!
魚が安心して暮らせる住み家を、海の中につくるプロに話を聞きました。
魚のためにはどんな場所が必要か。
実際に海の底から引き揚げて、魚の住み家「人工魚礁」も調査しました。
公民館に戻ったみんなは、魚の住み家「人工魚礁」についてクイズを交えて楽しく学びました。先生は、人工魚礁をつくっている海洋建設の片山貴之さんです。
ワークショップでは、人工魚礁の中に入れるカキ殻にマジックで願いを書きました。
「魚がたくさん住む豊かな海になりますように」
「人と魚が助け合える海に」などなど。
すてきなメッセージがたくさん集まりました!
魚のためにはどんな住み家が必要か。
もっと詳しく知るために、実際に海の中に設置されている人工魚礁を引き揚げ、その中身を観察しました。
一体どんな生き物が見つかるでしょう?
片山さんが海から引き揚げた「人工魚礁」の中には、イカの卵や稚魚、ヒトデ、エビなど小さな生き物がいっぱい!生態系ピラミッドが大きくなるような、小さな生き物や魚が暮らしやすい住み家になっていることが分かりました。
2日目の活動では、豊かな里海をつくるために、海に関わる人たちが工夫して作った海洋牧場や人工魚礁が、大切な役割を果たしていることを学ぶことができました。