活動報告 1日目

豊かな海「瀬戸内海」について知ろう!

瀬戸内海産の魚を探せ!

瀬戸内海産の魚を探せ!

朝とれたばかりの魚がたくさん並ぶ、笠岡市大島美の浜漁協。
大きい魚に小さい魚、見たことのない生き物もたくさん!
この中に、どれだけ瀬戸内海でとれた魚がいるのでしょうか。
まずは、私たちが食べている瀬戸内海の魚を調査しました。

最初の学習は、「瀬戸内海産の魚を探せ!」。
大島美の浜漁協の朝市にたくさん並んだ魚や、セリの様子を見学しました。
漁師さんがとってきた魚を見て、瀬戸内海にはどんな魚が暮らしているのか?どんな魚がとれるのか?について学びます。

見つけた魚の名前や特徴について教えてくださるのは、大島美の浜漁協の秋田組合長、岡山水産物流通促進協議会の森下会長、そして、釣りが大好きなRSKパーソナリティーの坂本大輔さん。魚のスペシャリスト3人です。

魚を見て名前がわかるかな?
「マダイ!」「ハモ!」とみんなは知っている魚を見つけます。アコウ、クロダイ、スズキなど大きな魚や、イシモチ、ケッケなど小さな魚もいます。「ガザミ」(ワタリガニ)、「ツナシ」(コノシロ)など岡山ならではの呼び名もありますね。

普段は切り身でしか見ることのない魚の姿を見て、興味津々のみんな。学習ノートに見つけた魚をチェックしたり、絵を描いたり。講師の皆さんからそれぞれの魚の特徴や生態、おいしい食べ方なども教えてもらいました。

豊かな海ってどんな海?
私たちが目指すべき海を考える

豊かな海ってどんな海?私たちが目指すべき海を考える

豊かな海がどんな海か答えられますか?
豊かな海とは、「生き物の種類も量も多い海」のこと。
生き物が住みやすい海にするために大切なことを学びました。

次に、NPO法人里海づくり研究会議の田中丈裕さんから「豊かな海」の意味について教わりました。
「豊かな海」とは、「生き物の種類も量も多い海」のこと。
生き物が住みやすい海にするためには、海の生き物の食環境と住環境が整っていることが大切だと田中さんは話します。

まず食環境について、海の生態系ピラミッドの図を学びました。
ピラミッドの下を支えるのは、「植物プランクトン」。ここが少なくなってしまうと、その上にくる「動物プランクトン」「小型の魚」「中型の魚」「大型の魚」と、どんどん少なくなってしまいます。
エサとなる生き物が豊富にいることが魚の食環境においては不可欠です。

そのため、住環境も重要です。
海の生き物にとって大切な場所は、「えさ場」と「かくれ場」。
その代表的な場所が藻場と干潟です。藻場や干潟を守り、えさ場や、かくれ場を作ることも、私たちにできることだと学びました。

豊かな海に見える瀬戸内海ですが、漁獲量の減少や生き物の種類が減ってきていることを学び、生き物にとって住みにくい海になっている様子も知りました。

そんな中で、海を守るためにできることは何か。
子どもたちは、「二酸化炭素を減らす」「地元の魚を食べて、海を大切にしよう!」「海の問題についてみんなに知らせる」と、意見を発表してくれました。

瀬戸内海でとれた「マダイ」を食す!
さて、瀬戸内海は豊かな海か?

瀬戸内海でとれた「マダイ」を食す!さて、瀬戸内海は豊かな海か?

今朝とれたてのマダイを目の前でさばいてもらい、刺身で食べる。
魚のおいしさを知ることも、海を守るためにはとても大切です。
「豊かな海でとれる魚はうまい!」

楽しみな昼ごはん♪
そこで漁師さんが今朝とれたてのマダイを目の前でさばいてくれました。

うろこを取り、はらわたを出して、手際よくさばく様子を目で見て体験。包丁を入れるたびに「わ~」とおどろきの声が。切り身しか見たことのなかった子どもたちも、魚の命の恵みをいただく大切さ、そのための営みについて考える時間になりました。

いよいよ、さばいたばかりのマダイ、クロダイ、タコを試食!
みんな口々に「ぷりぷりしておいしい♪」「こんなお刺身食べたことない!」と大喜び。
豊かな海でとれる魚はうまい!

瀬戸内海は、陸に囲まれた地形(閉鎖的海域)に加え、特に岡山では三大河川が流れ込むため、魚にとっての栄養が豊富な海だと言われています。流れが弱く、魚の住み家となる干潟や藻場が多いことも特徴です。漁場から市場までが近いので、旬の新鮮な魚がおいしく味わえるところも魅力だと森下さんから教わりました。

この豊かな海を守るにはどうすればよいでしょうか。

「豊かな海」に欠かせない場所「干潟」を観察

「豊かな海」に欠かせない場所「干潟」を観察

どうして干潟が大切なのか。
カブトガニの生息地として干潟を見守るカブトガニ博物館の学芸員さんに、カブトガニと干潟について教えてもらいました。

カブトガニの生息地として保護されている笠岡市神島では、カブトガニと干潟について学びました。まず、「笠岡市カブトガニ博物館」を見学。カブトガニ博物館の学芸員・東川洸二さんに、カブトガニの生態について教わりました。

干潟とは、潮の満ち引きによって現れる泥を含んだ砂地のこと。生態系ピラミッドの底辺になるような、小さな生き物やプランクトンが暮らしていることを学んだ子どもたちは、「干潟ってどんな場所?」を確かめるため、現地へ向かいました。

博物館周辺の干潟は、カブトガニの生息地として「国の天然記念物」に指定されている貴重な場所です。
干潟の石の下や泥の中から、小さなカニやヤドカリ、イカの甲、小さな魚などが見つかりました。「こんな生き物がいた!」と報告する子どもたち。その小さな生き物が、小さな魚、大きな魚のエサとなって生態系が守られているのですね。

東川さんが見つけたのはカブトガニの抜け殻!成長したカブトガニがここで脱皮したのですね♪

これまで人間の生活のために、干潟はどんどん埋め立てられ、失われています。
しかし、近年では、海にとって大切な場所だと見直されてきています。
みんなは、干潟の中にたくさんの小さな生き物がいることを観察し、豊かな海の基盤となる場所として守っていかなければいけないと思いを強くしました。

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