岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2021年1月10日

「コロナ新年」

首都圏3県にコロナ対策緊急事態宣言が日本政府から発表と聞いて、聞いて見た。NHKのラジオニュースも、昔のように短波放送のラジオを用意して、日本語ニュースがヨーロッパに向けて流される特定の時間帯を待ち受け、聞き取り難いのを無理して聞いていた時代とはすっかり変っているのである。有料なテレビでの受信もあるが、インターネットの無料で簡単に聞ける有り難い時代で、菅首相の発言のニュースを聞いて驚いた。甘いのなんの、こんなことでいいのだろうかと驚いた。フランスではもう当たり前のことばかりで、こちらはもっと、もっと厳しい。レストランやカフェは、11月以来もう二ヵ月以上閉められたまま、ホテルも閉まっているところが殆ど。年が明ければ解除されるのではと期待されたが、新年1月7日の首相発表で、コロナに罹る人の統計数字が好転しないから、また延期である。日本のように夜8時まで営業出来るなんて甘いものではない、フランスではこの業種は全然開いてないのである。映画館も劇場も、美術館、文化施設もスキー場も再び秋口に閉められ、公募展も開けない。映画館主は、「昨年は162日、閉めさされた。何とかしてくれ」と訴える。恒例の年越し花火も打ち上げられなかったし、フランス全土が夜8時以降翌朝6時まで、理由なく夜間外出禁止で静かな大晦日だった。それどころか、今週からは罹病者率の多い県では国の基準から2時間早めて、夕方6時から外出禁止の措置が20数県、始まっている。夕方6時には事務所も店もシャッターを降ろし、皆さまにお願いなんて言うのではなく、違反者は罰金を取られる。昼間の営業は普通通りだが、夜間外出禁止の処置なのである。

page1/3