岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2020年9月11日

「2020秋・近頃のこと」

学校は新学年度が9月から平常に開始した。事務所、工場も通常に復活オープンとなっているが、マスクは義務だし、従業員一人に4平方メートルのスペースが義務、人と人との間の間隔を1メートル取るとこうなるので新型コロナ対策の義務である。場所の狭いところに詰め込む訳には行かないから、相変わらず自宅テレワーク、テレ会議が一般になっている。学校は開始したが、クラスに陽性が出ると教室を閉めたり、再び学校を休みにするところも現れている。芸能・文化・催し関係の、人が大勢集まる行事は、まだ色々と規制があって自由ではない。黄色いベストの土曜日デモも、復活である。

パリの街は、もう街路樹のマロニエが茶色い枯れ葉になり、まだ皆がバカンス姿なのに気味が悪い。8月に40℃近い猛暑日が一週間も続いた影響で、枯れ葉が早くなっているのだとパリジャンは言う。9月に入って一時は気温が下がったが、9月中旬には猛暑のぶり返しが来るとの天気予報である。衣替え、まだ夏服を片付けるわけにも行かないし、とにかく何か変なのである。この数年は9月にも真夏が来て「今年のワインの出来はいいだろうな」、なんて話していた記憶がよみがえる。

秋になって、さすがに半年も新型コロナ隔離で、日常だった暮らしを休むとジッとしていられなくなるらしい。盛り場のカッフェやビストロのテラス席は若者で満席である。一方ではまだシャッターを下ろして新型コロナ休業の店も多いのだから、何かちぐはぐで、立ち遅れて消えてゆくところ、新しいことを考えて出て行く店、今まで無かった生活様式が誕生し、変って行くパリを日々実感する。従来の常識ではビックリすることばかりで、人手を触れないように、スマホを万人が片手に、カード、電子決済の社会の到来、従来のお札勘定の感覚では、暮らして行き難くなっているし、黒人も、アラブ人も、みんなスマホに見入っている。

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