岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2020年2月11日

「この暖かさ、普通じゃない」

異常な気候で、気持ちが悪い。2月の初めごろは氷点下の寒い日が普通なのに、10℃を超える暖かい日が続き、もう木の芽が出始めているのも異常である。このまま終わるとは考えられず、必ずもう一度冷え込むはずだから、その時が心配でもある。フランスの地方では連日異常豪雨が続き、一日の間に3ヵ月分くらいの雨量もあり、洪水、氾濫のニュースばかりが、あちこち毎晩のように見られる。

先日用事があって通勤時間の地下鉄に乗ったが、9割まで男女とも黒の衣料ばかりである。それもスポーティな化繊製品が殆ど。日本では華やかなOL通勤衣料ではなかったかなと、この違いが気になった。

2月1日、イギリスがヨーロッパ連合から去った。ヨーロッパ議会にいた73人の英国代表議員たちが、議員で無くなり「蛍の光」を合唱しながら一斉にバイバイ、去って行く光景に感傷的になる。調べてみるとEU27ヵ国加盟している以外にも、ノルウェー(全国の人口で500万人の国です)、スイス、モナコ、アンドラなど々々、同じヨーロッパ地図の中でもEU連盟に入っていない国も、グリュイエールチーズの中にできた穴みたいに17~8ヵ国、結構沢山あるから、我が道を行く主張が大切な人達の集団だなと発見である。日本だと周りの意見に同調して、合せるのが無難な生き方なのだけれど、こんな中で東洋人として、自己主張というものをどうするべきなのか、考えさせられてしまう。機会を作っては常に発言しなければ、存在しないと見做される社会なのである。日本社会では、確実に爪弾きされる。

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