岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2019年5月12日

「ノートルダム炎上余話」

前月送稿、数日後にパリ・ノートルダム寺院の火災が起きた。まだ原因は不明らしいが、古来落雷などで教会堂の屋根の炎上は珍しくないので、石造建築の国と、木造建築の国の火災では随分と勝手の違うと思わされることが多い。派手に全世界に報道され、火事見舞いのお便りをわたくしにまでパリに住んでいると言うだけで頂くのだが、石造の部分には炎が入ってないので、下から見上げている部分には変わりないのである。炎上と聞いて日本の人々は伽藍が焼け落ちて、焼け野原になったように思われた人が多かったようだが、立派に起ち石に刻まれた彫刻飾りも健在で何よりだった。

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