「革命?」
安倍首相が40億円の皆さんの税金をフランスに向けて投じて開かれた、「ジャポニスム2018」も昨年の7月から始まりこの3月で終わる。大臣、役人、文化催し関係者、学者、役者、芸術家、芸能人、作家、文化関係者、映画俳優まで、何しろ亡くなった俳優の津川雅彦氏が実行委員長だったのだから、実に多方面のいろいろな方が訪仏されて、日本文化の各面を発揮して下さったのであった。折からフランスも世界第二位経済大国の中国ブームで、バブル日本の頃に登場してわれわれの胸を張った、日本語看板が今やドンドン塗り消されて、韓国語、中国語に書き換えられるのが2010年代のフランスの現実である。報道社会も日本の登場もグンと減っていたが、少しは日本も取り上げられる機会が出来て、日本文化が忘れられない効果はあったかもしれない。先日は日本の太鼓の公演がパリ日本文化会館で2日間あったので招かれて出掛けた。すでに「ジャポニスム2018」の企画公演が始まって以来、太鼓公演は何組かあって、日本は一人が成功すると後追い物真似が好きなのだろうといささか食傷気味。30年前にカルダン劇場で初登場した佐渡の鬼太鼓座公演は、確かにセンセーションをパリ社会に持ち込んだのを思い出しながらであった。行ってみたらこの日の公演は瑞宝太鼓、湖南ダンスカンパニー、ジェネシスオブエンターテイメントの3組共同公演だった。いずれも精神、身体障害者の人たちが結成したチームで、日本で大活躍中な有名グループであった。フランスの労働大臣も鑑賞に参加、パリ日本文化会館にご当地大臣の来るのは珍しい10数年振りとのこと。このような公演は矢張りジャポニスム2018企画で実現できたのであり、2020年の東京パラリンピック前宣伝に活気づけでもあり、大拍手の公演だった。
2019年3月10日 赤木 曠児郎
page3/3