岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2019年3月10日

「革命?」

「黄色いベスト」運動、今も毎土曜日つづいている。パリは静かだったと思っても、地方都市で警官隊と大衝突になっていたり、もう昨年11月半ばに始まって五か月、終わらないのである。フランスだけではなくて、アルジェリアやベネズエラなどでも、民衆の大きな蜂起の波が動いていて、通常のデモやストではなく、このような世界的な変革の波の時期が始まっているのだと、世界のニュースからも目が離せない。若干39歳の大統領を選挙で成立させたのも、日本人には考えられない矢張り革命であったが、二年目に税金の平等を求めて起こった声なのである。フランス大革命やいろいろの過去の歴史書を、あわてて開いて読み直してみても、ハイ今日から革命で代わりますとページのめくられるようなものではない。市民は普通に生活し、「フランス革命期における、ある市民の日記」なんて出版資料が沢山残っているように、世界的に数年に渡っていろいろな出来事が繋がって行く、その流れの中での出来事なのである。今絵を描きながら暮しているパリの中の日々が、革命の日々なのだろうと思い、ニュースをみている。50年前、1968年の5月革命も、普通に日常生活の中で過ぎたことであって、後から本を読んで、へーそうだったのと、知らなかったなーと考え直すような、普通の日々であったのを思い出す。

page1/3