「カボチャや、西瓜のように」

 サンドニ市に19世紀末建てられた、市場マーケットの建物も昔のまま中心広場に残っていて、周りのグリーン地帯にテント店が300店くらい密集、火・金・日の3日間、朝6時頃から午後1時頃まで開かれる。マーケット建物内の60店の食料品店は、世界中の産物、生鮮食材、青果物集まっていて、年契約で店舗がきまっているが、外の300店は午前4時にトラックで集まり6時頃から場所の配分を受けてテント店を構え、8時ころから客を待つシステムだそうである。肌着、衣料、家具、雑貨、日用品が何でもありで、しかも目を丸くするくらい安いものがあり、背広、パンタロン、ドレス、防寒着、靴、1000円もあれば満足感がある買い物の出来るような気がする。西瓜や南瓜、野菜を買うように、身につけるものも好きに買って、着れる時代が来ているのだと実感する。以前は流浪の民などは衣料でスグ分かる風俗だったが、現在では身ぎれいで同じような衣装、油断して掏られたり、被害にも会う。ゴミ箱あさり、寄付用の衣料集め箱にたかって再生用のゴミ拾いの活躍するのも、元がこんな具合で手にしているのだから、場所を取る物はドンドン捨てられるパリの道路傍である。移民と観光立国のこの国、まるでアフリカかイスラムの国に居るような異国人の顔が次々エスカレーターから地上に吐き出されて来る。

page2/3