「近頃のこと、展覧会など」

 グランパレ催し会場で、4月初め4日間の「アート・パリ」、世界の22カ国から143の現代美術を専門に扱う画廊が集まって、アートフェアーを開いているのにも、ついでに覘く。今年は韓国が招待国で、ソウルから10画廊77名が、大挙参加して、結構盛んで張り切っている。日本は「ためなが画廊」だけである。見て、買ってもらって成り立つのが画商だから、同じ現代アートでもこちらは参加型見世物展でもない。近年やっと日本に昔あった「具体グループ」の作品が、50年をたって商品に定着始めている。アメリカの画商が投資はじめたのが切っ掛けで、ボツボツとヨーロッパの各画商も扱い始めたのが新しく目についた。
 ここを出て向かい側のパリ市立プチパレ美術館の、3月から7月まで続く「ジョルジュ・デバリエール」回顧展に入る。1861年に生まれ1950年89才で亡くなっているが、没後65年目に、始めての大回顧企画展だそうで、これは普通の意味で鑑賞に行く展覧会である。どうしてこの展覧会に行ったかというと、倉敷の大原美術館の廊下の片隅に昔からひっそりと、キリスト磔像の大作や宗教画の作品が3点あるのを、学生時代から見ていたから知って居た。やっと今注目、この人の業績、研究がはじまったので、児島虎次郎先生100年前に目が高かった訳で、ホッとされていることだろうと回顧に浸ったのである。サロンドートンヌの創立に参加し、後に会長にもなり、キリスト教宗教美術の大家となった人である。特に今年のサロンドートンヌ会員總会の日で、その後に時間の空が出来たので入って見たので、余計感深く、普通ポピュラーに知られていた人ではない。

2016年4月10日 赤木 曠児郎

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