「何かがずれている」

 パリの日本文化会館では、「ポリグラフ(嘘発見器)」という、東京芸術劇場の現代芝居をみた。ベルリンの東西を分ける壁が落ち、共産主義が廃れて25周年。そんな時代のテーマのカナダ人が書いた戯曲の日本語訳公演らしいが、ライトを暗転、暗闇で素裸での演技に吃驚しながらである。最前列の座っていて女優さんの言う台詞の日本語が聞き取れず、フランス語の字幕に目が行くしまつ。これが若い人には理解でき、分かるのかなーと、家内と二人悲しかったのである。解説や評論を読むと、とてもご立派な芝居らしいが、筋の不条理な現代演劇は、どうも苦手である。
 フランスには、目下日本酒の売り込みが、熱が入っている。先日は広島県の9社が合同して、10ユーロ(約1400円)の入場料払うと、お猪口をくれて、これを持っている人だけ、利き酒自由。ラーメン屋にフランス人の行列がパリ新風景の時代だから、口コミでこれは当たった。2日間みんな押しかけ、また来年もあるという。岩手県も県知事さん筆頭に、利き酒と餅のキャンペーン、東北大震災の3年目、皆さまからの援助へのお礼だそうだが、そんな日本的風習が必要なのかなー、全然通じないし、同じ税金つかうなら、早く核の処理始末を望みたい。一昨日もフランスの一流紙に、1ページを全面つかって写真入り、FUKUSHIMAのその後の核処理放置、全然進行してない記事である。

2014年11月11日 赤木 曠児郎

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