ブルボン・コンデ屋敷の門
「何かがずれている」
デラックス商品という、ブランド人気商売の分野がある。1954年に15社が集まって出来た「コルベール委員会」という私設クラブがあり、現在では78社加盟となっている。17世紀ルイ14世の財務大臣で、当時イタリーが文化の中心だった時代に、フランスに産業を導入して国起しをしたのがコルベールで、その名前を頂き、フランスの伝統高級デラックス製品を世界に広める運動の、共同連合である。60周年記念の今月は、昨今儲け頭のルイ・ビュトン鞄屋が、ブーロニュの森にあり人の入らなかった伝統民芸美術館を、風変わりなデザインで改装、ポンピドーセンターに続く、21世紀の最新現代美術の殿堂としてオープン、話題を独占している。物をコツコツ築き上げ、創り出すのでなく、出来上がったものを、経営力と、資本で絡め取っては吸収、宣伝力で大きくなって行く。旅行者の人気と財布を集め利益を上げ、肥ってゆくのが現代なのだろう。
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