セベンヌ通りの大きな煙突
「パリの日中韓映画合戦」
兵庫県はパリ事務所をまだ維持して頑張っているが、東京都や岐阜県、大阪市はさっさと撤退してしまった。兵庫県パリ事務所のサロンで第4回神戸ファッションリメイクコンテストの発表を一週間開くというので、案内を頂き義理で出掛けた。古着の素人更生服、いささか期待しないで出掛けたのだが驚いた。全国から200点を越す、少女から老年まで応募者で、入賞作品13点だけが運ばれての展示だったが、とても営業ベースを中心にする専門家のプロでは考え付かないアイディア、レベルの高さ、自分で着て見たい楽しさ、パリというファッションの町で見ても、まことに見事なものである。現代の衣装が、専門家がキッチリと仕立て上げたようなものより、ボロ着を繋ぎ合わせたようなものがブチックに氾濫、流行している状態だから、余計に良く見えたのかも知れない。出来合に頼りで簡単に捨てるより、丹念に自分で手を動かして、楽しさに浸る人たちが新鮮だった。
近所のパリ日本文化会館では、また今年も大駱駝艦(だいらくだかん)のパリ公演がやってきた。11月の3週間に亘っての公演、フランス人のファンで一杯で中高年の落ち着いたカップルの多いのが目立ち、白塗りの闇黒舞踏が登場、若い頃奇抜さに飛びついて好きになり、今でも忘れられずというのが、ありありと分かる。19世紀に浮世絵を発見、世界の美術に登場させたフランスらしい。奇妙で気持ち悪いという日本人が多かった時代に、フランス人の方にブトーのファンが多かったのである。慣れて馴染んでくると、形式があって、筋書きがあって、意味がある。やっと通じるようになったのだろうか、昔のような嫌悪感は無くなった。麿赤児さん頑張っている。考えてみれば、日本舞踊だって、歌舞伎の玉三郎、お能、外国人の眼にはエキゾチックで、同じようなものかも知れない。
2013年12月8日 赤木 曠児郎
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