岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2013年10月14日

「ピアフとコクトー」

 日本ではまだ暑かったが、パリに帰るとこの数日でもう冬装束だし、家には暖房も入り始めている。10月に入り、平年より3~4℃今年は低い、異常だとか。  10月11日、エデット・ピアフとジャン・コクトーの大きな写真が、各紙の一面に出ている。丁度50年前、ピアフの死亡が報じられ、それを聞いてコクトーも亡くなったと、この日の大ニュースだったからだ。私たちがパリに住み始めた1963年、その年の出来事だったから、忘れもしない。アメリカでは、ジョン・ケネディ暗殺事件の年だった。
 ピアフは47才で亡くなった、女性シャンソン歌手である。しかしこの半世紀、つねにフランスのシャンソン界のトップ10に名を連ね、忘れられることがない。「愛の賛歌」「バラ色の人生」世界中に聞かれている。奔放ともいえる生涯は、先年「モーム」という映画にもなって、2007年度のアカデミー賞主演女優賞や、世界の映画祭の受賞を沢山得て話題だったから、思い出される人もあるだろう。背の小さいおばさんで、シンプルな黒いドレスで歌い、地味で意外な気がするが、その歌声は今でも現役で、フランスのシャンソンというと、懐かしのメロディでなく、2~3曲は欠かせないのだから、物凄い。日本だと美空ひばりの、世界版だと言える。

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