岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2013年4月5日

「イースターなのに寒い春」

 異常に暖かいクリスマスシーズンだったが、春のシンボル、イースターになって異常な冷気の日々である。陽射しや木の芽は膨らむのだが、氷点下だったり、雪が降ったりする。復活祭の季節には、ヨーロッパの人々の家族旅行の習慣で、見学のためにパリを訪れる、独伊などの旅行者が増える。長い夏休みは、旅行のためではなくて休養なのだから、春の家族の知識を深める教養旅行とは、西欧人の生活には厳密に区別があるようである。それに加えて、近年は新興の中国人旅行者に溢れているパリである。現在年間60万人位の数だが、数年後には年間200万人と予想されている。バブルや景気の良かった20年前の日本人旅行者が、年間100万人を越すかなと予想されながら、その手前で弾けてしまって手が届かなかったのだが、そのレベルに中国人旅行者が近づいている。旅行者一人、約18万円位を買い物で落として行くそうで、パリの代表的百貨店ギャラリーラファイエットの現在の60%の売り上げが、中国人旅行者の買い物だそうである。かつては日本がそうだったのだから、中国の今の姿が浮かび上がる。

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