ブリストル・ホテル
「新年・シャンゼリーゼ考」
新聞、テレビ、報道はもう100数日にせまった大統領選挙の話題ばかりでしめられる。理想は語られるが、現実政治の世界は何処も同じようなものである。1月1日から大統領の一声で、消費振興の特例で5.5%に下げられていた一部の消費税が、7%にポンと上がった。誰も不思議がらない。普通は19.6%の消費税が当たり前のフランス、今回の措置は、国営の国民健康保険とか、年金の財源に、赤字で毎年困っているからである。政治というのは、まず自分の取り分を確保、あと沢山集めてばらまくだけで、政治は何も製造生産していないのだから、国や政治に期待するのが間違いなのは、3・11でもよく分かったはずだ。自分のことは自分でやり、国民の頼み事は小さくして国自身から節約してもらわないかぎり、庶民は搾られっ放しなのは、昔からなのだ。当てにすると、高くつく。
それにしても、この年末バカンスの季節に、11日以上もストライキの続いたフランスの空港も、オカシナものだ。各分野の労組でやるから、飛行が完全中止になることは、さすが数年前のように、政府に押さえられて出来ないが、遅れに遅れ、乱れに乱れて当てにならないで長蛇の列、みんなブツブツ。一番の人が移動の稼ぎ時には、会社の利益は上げておかねばと考えるのが、まあ日本人なら考える常識だが、一番効き目のあるところに自分たちの要求を考えるフランス人には、何年暮らしても馴染めないものを感じる。
サルコジ大統領、さっさと他の国の思惑など関係なく、世界の投機資金の投資活動にフランスは課税すると、決断発言した。これから立法だが、こんなところは大統領選挙前に、少し見直した。人気世論調査もただちに少しアップ、お手並み拝見である。
2012年1月10日 赤木 曠児郎
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