岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2011年10月10日

「もう後200日!!」

 もう後200日!、と言われて、一年もないのかと日のたつのが、急に早くなった思いである。フランスの次の大統領選挙である。6000万、全国民の投票だから、皆の一票がこの国では問題なのである。誰が大統領候補に立候補するか、その話題ばかりで昨今は占められる。世界の話題には、すぐ続いてアメリカ大統領選もある。
 9月26日、フランスのセナ(上院、貴族院)に、設立以来始めて社会党の議長が誕生して注目だった。この国も日本と同じ、アッセンブレ(下院、衆議院)もあって二院制である。その上院で、左翼の議員数が右寄りより始めて多くなったのである。貴族院の名前もあてられるように、各地元の有力者の牙城で、下院がどうであっても、ここだけは保守系議長が選ばれていたのだが、ついに逆転したのである。大統領に万一のことが起こった場合は、上院議長が代行するこの国第二の役職だから、皆が感深くしたのである。しかし、フランスの選挙民はしたたかである、次の大統領選でもと言うと、ことは単純でない。右を出せば、今度は左も通してと、一方に偏って、何時までも続けさせるということはしない。政権交代させ、上手くバランスを取って、自分たち国民の利益を守る、選挙術を知っている人達と感心する。
 10月6日から、またタバコの税金が値上がりした。あまりに税率が高く、フランスはタバコの密輸大国になり、まるでカルメンの時代さながらで、商売になるのだそうである。建物内では一切禁煙だが、それでも、みんな外の道路に出て、時間をみつけてはホッと一服仕事に立ち戻るのが、現代パリ風景である。

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