「ラントレの季節」

 外国で見ていると、日本に50才台の若い首相が誕生したのが、お目出度い。若いと言っても昔の定年に直前だが、60才代だともう安全を求めるし、70才代では過去の経験にたよる傾向は避けられない、新しいことを求めるのが無理である。首相誕生の巡り合わせは、きっと新しい時代の生まれることを感じさせ、変革の革命に思える。日本に老害を整理できたラッキーさ、これから働き盛りでやってもらわねばと期待する。前二代の首相は、非常に民主主義的な首相であったと思う。皆の意見を入れるからブレルのだし、仲々決まらない、討論には時間がかかる。どこの国でも政治は、似たような問題を抱えている。バカンス明けのフランスでも、シラク前大統領は、その前にパリ市長時代の不正雇用職員の問題で裁判沙汰。現大統領も不正政治献金受納の疑惑が燻っている。DSK前世界銀行総裁のセックススキャンダル問題もあり、とにかく明年のフランスとアメリカの大統領選挙に絡めた、関連ニュースばかりが埋まっている。9月の今頃になって、昔のチェルノブイリ原子力発電所事故の折りに、放射能雲影響の数値をフランス上空だけ、国立研究機関では意図的に過少発表していたと、当時の所長が裁判に追及されている。いずこの行政も似ているのである、とにかく自分たちの意見を、各人が自由に言うこと、言えることが大切。気が付けば、抑え込もうとする力に、囲まれているのだから。

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