「ラントレの季節」

 バカンスが明けると、もうストライキの話題もチラホラ、こちらもラントレである。国の予算節減上から、教員数削減策など出るともうデモ・ストが言われ出す。国立の病院、鉄道、大学、各職場、各場所で、改善とか、縮小案を出すと、いずれも権利、権利と要求で騒ぐ。子供はこれを見ているのだから、自分の要求を通すのに、力を使うのが当然と見習うはずである。大人たちが、世の中の必要のため、良くするために、耐えている姿を見て、子供は学んだ筈なのだが、権利の要求ばかりでは、どんなことになるのやらと思う秋である。66年の昔、我が家を空襲で焼かれ、疎開したり、お国のためだと責任を持って散って行って人たちのことを思って過ごすのが8月の夏である。少年だった心に、国民全てが騙されていたとは言え、我利我慾より、大きな犠牲に燃えていたのが焼き付いている。今でもそんな時代がテーマの映画を見ると、矢張り感動する。
  アメリカからの、NYテロ10周年の、特別ニュース番組を聞きながら。

2011年9月11日 赤木 曠児郎

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