岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2011年5月9日

「チャリティラッシュ」

 日本から帰って二週間ばかり、何かしら日本応援のチャリティ企画ばかりに付き合わされている。色々と考える人があって、何処か他国に事故、震災があると、すぐに救援にと活動が始まる。自分の打ち込む仕事があると時間が一杯で、なかなか一時それを離れて他の救援と言ってもママならないはずであるが、人道支援、救援専業のような待機人口も多いのだろうか、さすがフランス!!コンサート、演劇など、人が集まらなければ成り立たない仕事で、「なになにのために」の名目は、絶好の機会に映るようで待ち構えてなくてはこう行かない。日本のためと言われて義理を感じて付き合っていたりしたら、仕事の時間が干上がってしまう。結局、この国では社会保障がよくできているから、いろいろな年金とか、助成金で生活を立てている人が多く、人権だ、人道だというと、すぐ集まる時間の余裕の下地がその底にあるのだと思わざるをえない。
あれから二か月近くもなると、イスラム諸国の人民蜂起、英国王室の結婚式、モロッコでのテロリストのレストラン爆破によるフランス人旅行者多数死亡、ベン・ラディンの米国による追求と、世界の出来事で、ツナミ関連ニュースは少なくなったが、「フクシマ」というとすぐ大きく反応する。集められた義捐金は、申し合わせたように赤十字に寄付(イスラム世界だと緑十字に寄付)となるのだが、何時どのように、如何に役立ったかは、これからが本当のマスコミの仕事だろう。渡したからこれで肩の荷は下りて、済んじゃったでは終わらないはずで、宗教法人とか、善意の後処理のことはあまり知らない。

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