岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2011年1月10日

「もう2011年 !!」

 年が明けると早い。もうフランスの話題は、明2012年のフランス大統領選挙に、誰が立候補するか、誰がしそうだと言う話題で埋まっている。もちろん現職大統領だって、防戦に力が入る。 世の中は世論調査、アンケートと、数字を並べてもっともらしく煽り立てるし、トップに立てば、人気数字は必ず下る。他人の意見をよく聞けば「ブレル」だし、自分の主張を通せば「独裁者」なのは、西も東も、同じである。もしも政治が正しく良かったら、庶民は日常に、自分の仕事に、安心して暮らせば良い訳で、首相が誰だろうと、担当大臣が誰だろうと、名前も知らなくても、恥でも何でもない筈だと思う。数字も危険なのである。数字は自分の意見に合うように、もっともらしく選んで作られるものだし、簡単に信じさせる常套手段なのである。
アトリエにくるモデル達の中には、フリーターで仕事の切れた時には、世論調査会社のアルバイトに駆け込むパリジェンヌもいる。依頼調査内容によって、電話器に噛り付いて掛けまくるハードな仕事らしく、その代り仕事は、何時でも時間を問わずあるらしい。エピソードなど聞かされる度に、西欧人のように、それぞれ主張と意見がはっきりして影響を受けない人達と、周りを見て波風を立たせないように、穏やかに社会を成り立たせている我々とでは、使う条件も、使われる条件も、同じではない。何%がという書き方の記事には用心々々と、何時も思う。

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