エチエンヌ・ペルネ広場(1)
「もう2011年 !!」
暮れに珍しいコンサートに出会った。何でもアフリカ大陸4人のノーベル平和賞受賞者を記念して、アフリカの樹を使ってバイオリン、ビオラ、セロなどの弦楽器4台を作り、四重奏楽団を創立。「平和のためのカルテット」として、スタートのパリ初発表会というのであった。その会場が、セーヌ左岸の昔のピカソのアトリエというので、特にでかけたのである。「ピカソとの生活」という題で日本語にも訳されている評伝の舞台で、1936年から1955年まで、第二次大戦中ドイツ軍パリ占領時代も、ピカソの住所で、1937年ゲルニカの絵もここで制作された。サンジェルマンデプレ地区のど真ん中に、今もあるのである。この屋根裏アトリエは、その前1934年から37年までは、ジャンルイバロー劇団が稽古場に使って、劇団発祥の場所だし、もっと古くはバルザックの小説「知られざる傑作」の画家のアトリエの舞台ともなっている、1610年から、500年も建っている建物なのである。パリ市が取得して、「子供のための芸術教育財団」というのが入り、2002年から修復され公開、見られるようになった。その歴史的な雰囲気の中で聞かされる、特にカタロニア民謡から作曲された「鳥の歌」という最後に演奏の曲は印象的で、勿体ないような、集まった30名ばかりの招待客、総立ちの大拍手、印象的だった。録音されている四重奏楽団発足のCDを手に入れ、持ち帰って聞いてみたが、同じ感激はない、やはり場所によるのだろうか。
隣の建物では、「イクオ」君という、日本人アクセサリーデザイナーが、自作展示の店を開いている。もう30年来の知人である。続けているから、立派なものと感心。帰りに久しぶりに立ち寄ってみたら、続くにはそれだけの成長のある店で、嬉しかった。
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