岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2010年7月9日

「話題」

 7月に入ると、もうバカンスのことしか頭にない。その上に珍しく猛暑続き。老後国民年金手当で、生活は決まっているのだし、安く上がる田舎を目指して、一斉に民族大移動である。
 フランス一周自転車競技がスタート。近年は選手の薬物使用、ドーッピングが問題だったが、今年は新手が現れ、ペダルの心棒に棒状のモーターを仕込み、スイッチで加速していたのが見つかって、スキャナーでこの検査も加わった。人間って興味を持つと、とんでもない発展進歩の生き物である。公衆電話用チップ入り電話カードの発明もフランス、あまりに改造不正が多く、このカードはお手上げになってしまったが、カード支払いの習慣だけは、残った。
 いまフランスは、「ベタンクール」という名前に、沸いている。サルコジ大統領の就任の最初に、やはりベタンクールという名前の女性が、南米のコロンビアで、ゲリラの人質となり、フランス系母親の混血児だというので、人道問題としてフランスが乗り出して救出、大統領の国際社会へのパーフォーマンス、少し見え見えなやり過ぎの評だった。3年目、またベタンクールが、火を噴いている。日本文字で書くと同じで、混同されるが、ローマ字の綴りが違っていて、親戚でも何でもないベタンクール未亡人である。88歳の女性ながら、フランス1の大金持ちで、世界の金持ち女性長者番付で、エリザベス女王と上下を張り合う人。日本女性には、美容院に行くとロレヤル化粧品という名前の商品が一杯使われていてお馴染み、この会社のオーナーなのである。元は親と娘の間の、財産相続のもつれから裁判沙汰、未申告の隠し口座がでるし、脱税。それを指導していた経理会社が現職大臣夫人の会社。その政治献金が法律違反。金持ちだとやっぱり見逃すのか、現大統領の選挙運動資金不正にまで、飛び火して庶民は興味深々。マスコミも、ロレアルの広告が、圧力かけられると大変なので及び腰。一大政界スキャンダルに、なってしまったのである。

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