岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。
昔の鉄道高架線ガード下
昔の鉄道高架線ガード下


【近況】
  
4月4日〜13日
  フランス・ロワール河流域のボールガール城における「ロワール派美術展」(1923年創立)
(2009年度名誉主賓招待客作家として出品展示)
4月9日〜29日
  パリ市主催第5区区役所フェスチバルホール
「みんなの知っているアカギと、まだ知られていないアカギ展」
入場無料
区役所の開いている時間(日・休)
5月5日
  神奈川県展とパリSNBA日仏交流展のために会場訪日(横浜開港150周年記念行事)
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≪新刊≫

『アカギの版画パリ百景』
マリア書房(京都)
1,260円(税込み)
一部大手書店に出ていますが、個展会場で販売予定。


≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
講談社エディトリアル・株式会社第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)5319-4150
FAX(03)3944-5241
または、展覧会場でのみ発売
 
2009年4月12日

「イースター・バカンス」

 桜が満開のパリ。また桜ん坊が、デザートのテーブルを、賑やかす季節が来たと、食欲をそそられる。
 今週から二週間、11日〜26日までパリの学校は春休みである。つい先々月2月14日〜3月1日まで、スキーバカンスで休み、一ヶ月ほど通ったらと思ったら、もう休みである。このあと5月の後半は教会の聖日休暇がつづき、ヨーロッパのゴールデンウィークで、また休み。6月は働いて、7月〜9月はもう夏休み、本当のバカンスである。ついでに書くと、10月24日〜11月4日までがヨーロッパのお彼岸休みで、12月19日〜1月3日はクリスマス・お正月休み。つまり一ヶ月学校に通うと、二週間の休みが巡って来るわけで、フランスの年間授業日数は、日本なんかと比べると各段に少なく、それに週二日の休日で、超ゆとり教育である。成人学級の教室に通っているので、好きで授業を受けている大人には、また休みかと、授業料を損したみたいで、逆にあきれるほどである。日本も少子化とかで、学校余りにでもなれば、受験地獄の恐怖で、役にたたない知識を詰め込む方式から、考えがかわってくるかも知れない。
 実は先日から、パリのある区役所ホールで4月一杯展覧会を開いている。区長夫人が、「休暇シーズンで大丈夫か、折角開くのに申し訳ない」と心配してくださったのだが、気候のよくなる春先ですからやりましょうと、実行したのである。四十数年パリに暮らしても、そこは仕事の虫の、外国人感覚であった。初日オープニングパーティ前日に、知人から欠席のお詫びの手紙や、留守番電話が「休暇で田舎で過ごすため出発しますので」と、どんどん入る。やっぱり今でも伝統的なフランスエタブリッシュメントはそんなものかと、いささか心配になった。
 幸いホールぎっしりのパリジャンが集まってくださって、区長さんと並んで演壇の上にあがって、お役目果たせたとホッとしたのであるが、確かにこのイースター休暇中、ヨーロッパの他の国から来る旅行者で溢れていて、パリは賑やかなのだが、伝統的なパリジャンは田舎に出かける習慣を守り、空にしている人たちも、たしかに多い。


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赤木曠児郎氏 略歴
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