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「日本をまた見かけるようになったパリ」 ギメ美術館で、5月21日から8月4日まで開かれている北斎展が、大きく注目を浴びている。150点の作品、全部ギメ美術館自身の所蔵品なのが凄い。一点だけ東京の太田美術館から借りてきているが、90才の時の肉筆の虎の絵で、ギメ美術館が持っている天に昇る竜の絵と、対の一幅で並べるためにとのこと。とにかく北斎がこの国では第一級の日本人画家で、ピカソ並の関心、知名度なのを知らされる。徳川時代末期に、輸出される磁器焼き物の、割れ止めパッキングに、北斎漫画などの本や、浮世絵の紙が利用されているのを、最初に見つけて評価したのがブラックモンというパリの版画家で、1856年のことだったという。それから愛好家がパリの文化人の間に広まって、集めれたり、研究されたり、本が出され、ジャポニズムと言うのがパリから生まれたわけだから、価値の発見者がフランス人達であるところも受けるのだろう。世界的な価値もここで決まる。コレクションや寄贈されて凄いものが、浮世絵はパリにあるので、色が褪せるから平常はしまわれているが、充実した見事な展覧会なのである。江戸の人にとっては、現在の新聞の折り込みチラシくらいに思っていたのが、浮世絵だったのである。
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