モンマルトル・サンレクール寺院
モンマルトル・サクレクール寺院
 

「日本をまた見かけるようになったパリ」

 7月3日から6日までの4日間、空港に近いビルパン見本市会場では、ジャパン・エックスポの見本市が開かれる。日本の若者のポップ・カルチャーのオンパレードである。もう9回目になるが、今回は3日間が一日伸びて4日間、9万平米、300ブース。スタート当初は三千人くらいの人々が入場の、パソコンゲームのおたくたちの集まり、物好きなフランス人もいる位に思われていたが、時代の波に乗って、昨年は5万6千人の入場者、今年は8万が目標、日本大使館がビジネスセンターまで準備して、漫画、ビデオゲーム、アニメ人形、東京ファッション、ヤング・ミュージック、コスプレ、レスリング、武道、ハイテク、ロボット、観光などまで、フランスの若者の大イベント、ビジネスになっているのである。アニメ文化最先進国日本の、モード発信最先端であることを、逆に日本人大人が気づかされた形。最初に大きく注目したのは当時のパリ日本文化会館長の磯村さんだった。熱っぽく、凄いんだよとよく話題にし、彼の記者感覚で捕まえていたようだった。
 先週も今年のジャパン・エックスポ事前記者会見があったが、昨年春、安倍首相の訪仏記者会見が、豪華ホテル会場にお金掛けて最初200席用意したが、150で足りそうだとなり、また100に減らし、最終は記者席50椅子で足りたが、日本から随行の首相記者団やテレビで占めていた。ところがこちらは、門の開く30分前からの行列で、道路上で何事かと思い、治安のため入邸の持ち物検査、日本大使公邸での200席満杯、勿論フランスの記者たち。こんな数字はあまり報道されないが、ある姿を伝えていて、考えてみる必要があるだろう。文化は庶民の間から創られてくるのである。バブルの弾けた10年間は撤退ばかりで、消えていたような日本が、また話題を発信はじめたのは嬉しい。やはりお金使わなければ、世界での人気も大変なのである。

2008年6月10日 赤木 曠児郎  
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