岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。
ポルト・マイヨーのパリ国際会議場
ポルト・マイヨーのパリ国際会議場

【近況】

11月8日〜18日
   パリ・サロンドートンヌ展出品
11月22日〜12月2日
   パリ・グランパレ・アール・キャピタル2007
(SNBA部・デッサン水彩協会部参加)
12月13日〜16日
   パリ・カルーセル・デュ・ルーブルSNBA2007展
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
講談社エディトリアル・株式会社第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)5319-4150
FAX(03)3944-5241
または、展覧会場でのみ発売
 
2007年11月12日

「ストライキの話しばかり」

 日本から個展を終わってパリに帰ってくると、ストライキのニュースぱかりである。三週間前出発のおりも、翌日から交通ストとかの宣言で、逃げるように飛行機に乗ったのだったが、少しも変わっていない。サルコジ新大統領になって半年、バカンスも終わりあらゆる分野で国民が不満の訴えを主張始めたのである。バカンスの間はちゃっかりと三ヶ月、国民の権利の休暇に浸り、その間は移民問題ばかりを、マスコミも主な話題にしていたが、さて仕事開始となると、要求の再開に取り掛かるのである。
 特に今回は新大統領とその政府が国民年金制度の不平等の見直しと、改善に取り組んで行こうと努力し始めたから、既得権の上にあぐらをかく各労組が黙っていない。日本よりも早くから組合運動や年金制度の完備しているフランスは、現在日本のお手本のようなものだし、国民も自分たちの生活のために作り上げた制度で、多くの人はそれに頼り切っている。一年でも早く年金の権利を得て、引退して気ままに自由に自分の生活を暮らしたい、そんな願いが一般で、老後生活が不安で一年でも長く職場に留まりたい、定年の権利の得られる年齢になっても、天下りまでしても稼ごうとする日本人のメンタリテとは正反対なのがこの国、日本人には面食らうことが多い。定年の年齢が来ても働かなくてはならないなんて、その人お気の毒ですねと、天下りなんかは受け取られる国なのである。

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赤木曠児郎氏 略歴
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