岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

秋の中庭

【近況】

6月8日〜11月28日迄の六ヶ月間、パリのノートルダム寺院の前広場の地下にある、パリ市立カルナバレ美術館別館「地下遺構発掘美術館」に、25点の油彩と40点の素描原画で「アカギのパリ40年」の展示が、パリ市により開かれています。
日本人として初めて、1979年にカルナバレ美術館で展覧会を開いた、パリを描きつづけるアカギの、渡仏以来四十年の仕事を記念する回顧展です。
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
株式会社 第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)3235-3051
FAX(03)3235-0158
または、展覧会場でのみ発売
 
2004年9月22

「秋」

  黒っぽい上下背広にネクタイ、沢山の若者が動きはじめて新入社員だろうか、バカンスの終わったのを感じる。
 九月のパリの催しは、アンチーク見本市の話題で占められる。二年に一回、ルーブル美術館・カルーセル地下入口ホールで開かれている第22回アンチーク・ビエンナーレは、その豪華さで最たるもので、世界から103社の有名アンチーク商、宝飾商が集まり、2週間続き8万人の入場者、初日の入場チケットは社交界イベントだから一枚100ユーロ、約1万4000円の入場料である。運ばれてくる展示品のほうも桁違いだし、各店スタンドの装飾に贅がこらされ、工事に業界は総動員されて、フランス70軒、世界各国から33軒、日本や極東からの出店は一軒も無く、文字通り西洋アンチークの大祭典である。美術館にあっても不思議でないような品々が市場に流通し、取引されているのだから、目の保養に訪れる人々だけでなく、先祖代々伝わる自分の財産の品々の確認のためにも、平常街では見かけない、人品卑しくない人達が熱心に集まる。

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赤木曠児郎氏 略歴
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