3月13日(水)よる8:00~8:55

沢知恵 私は闘いたい~ 「隔離と歌」の旅~

幼いころから関わりのあるハンセン病療養所に通いやすいようにと10年前岡山市に引っ越してきた歌手・沢知恵さんは、全国で歌い続けながら2021年、ハンセン病療養所の音楽文化研究で岡山大学大学院を修了し研究者になった。
療養所を何らかの形で残すため、研究者として発言するためでもある。
研究テーマは全国のハンセン病療養所に残る園の歌=「園歌」。
強制隔離の中でだれが何の目的でつくり、どんなふうに歌われてきたのか、その役割を明らかにすることだった。
沢さんは全国13か所の療養所に23編の「園歌」が存在することを突き止め、聞き取り調査を重ねた。
複数の園歌に出てくる「民族浄化」「祖国浄化」「一大家族」の歌詞。
歌わされたのか、それとも自ら歌ったのか。
沢さんは修士論文をまとめ、そしてその内容をわかりやすく本にして出版した。
大仕事を終えた沢さんだったが、歌探しの旅はまだ終わっていなかった。
次は韓国のハンセン病療養所がある小鹿島(ソロクト)に園歌を探しに行くという。
ソロクトの療養所は日本の統治下でつくられた。
韓国全土から患者が強制隔離され過酷な重労働を課された。
植民地時代のソロクトではどんな歌が歌われていたのか。
凄まじい抑圧の中で歌われていた歌の正体とは。
沢さんの旅を追いかけた。
(写真=沢知恵さん)