11月18日(水)よる8:00~8:55
街が変わる~岡山カルチャーゾーン新時代~
街が変わってゆく。
大型商業施設の出店が続き、更なる再開発も控える岡山駅前。
一方、後楽園をはじめ、コンサートホールや美術館、図書館など歴史文化拠点がひしめく観光レジャーの要衝「カルチャーゾーン」にも、ここに来て変化の波が。
10月、RSK山陽放送新社屋の能楽堂ホールtenjin9がこけら落としを迎え、カルチャーゾーンの仲間入りを果たした。この地には明治時代、展望塔や芝居小屋、食事処、遊興施設などが軒を連ねる「亜公園」があった。材木商で巨万の富を築いた片山儀太郎が、若い商店主が増えた表町商店街の活気を見込んで開設したテーマパークで、正に「街を変える」力を持つ文化拠点だった。カルチャーゾーンの精神を先取りした地が、約120年の時を経て蘇ったといえる。
そのtenjin9から南に1キロ離れた表町商店街の千日前に、2023年夏オープンするのが岡山芸術創造劇場。かつて映画館が立ち並び、岡山一の繁華街だったこの地の再生に商店街は期待を寄せる。
劇場を運営する岡山市は、市民が鑑賞するだけでなく作品作りにも参加できる劇場を作るという。参考となるのが、2003年に開館し、地域を「演劇の街」に変えた北九州芸術劇場。オリジナルの公演を作り、街に出て市民も巻き込みストリートパフォーマンスを繰り広げている。
劇場の建設工事が進む千日前界隈では、新たな街づくりの布石が打たれていた。市からの委託で芸術創造劇場のプレ事業を展開するNPO法人アートファーム。代表の大森誠一氏は市民参加のストリートパフォーマンス「わが町ミュージカル」を企画し、今月22日と23日に表町商店街で披露する。
一方、既存のカルチャーゾーンでも、この秋、若きアーティストたちが活躍。シンフォニーホールでは、岡山県出身のヴァイオリニスト福田廉之介が結成した楽団The MOSTのデビューコンサート、ルネスホールでは、次世代のミュージシャンの登竜門「ネクステージジャズコンテスト」が開かれ聴衆を魅了した。
ここまで情報が少なかった岡山芸術創造劇場の青写真を岡山市に取材し、街づくりに奔走する仕掛人、躍動するアーティスト、商店主、そこに息づく人たちの姿を追った。
写真=表町ストリートミュージカルの稽古