11月8日(水)午後7:00~8:00

オランダおイネ
知られざる生涯

幕末の長崎。鎖国政策をとっていた幕府が海外貿易の唯一の拠点として作った人工の島が出島だ。その出島に、日本と唯一国交があったオランダに自らを売り込み来日を果たしたドイツ人医師がいた。フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトである。
シーボルトは日本人女性タキと愛し合い、女の子が生まれる。のちに「オランダおイネ」として名を馳せる楠本イネである。
しかし、シーボルトは国外持ち出しが禁じられていた日本地図を隠し持っていたことから国外追放処分に。イネは、離れ離れになった父と同じ医師を志し、シーボルトの弟子・岡山の石井宗謙のもとへ駆けつける。
女性が差別された時代。しかも外国人とのハーフ。イネは、さまざまな偏見にさらされながらも、信念を貫き修行を積んだ。しかし、ある日、師匠・宗謙の子を身ごもってしまう。宗謙には妻子がいた。果たして、妊娠はイネに一方的な感情を抱いた宗謙の暴挙か。それとも心通わせた二人の師弟愛が男女の愛に形を変えたのか。長年、論議の的となってきた歴史の闇。
宗謙とイネの娘・タカ子は美しく、国民的人気漫画のヒロインのモデルにもなった。楠本家の末裔は、医師の家系を絶やさないというイネの信念に従い、歯科医になった。
イネと一族の知られざる真実に迫る。


写真=石井宗謙(左)と楠本イネ※イメージ