6月28日(水)午後7:58~8:53
孤高の牛飼い 40年~和牛のルーツを守る~
住む人がいなくなったあばら家を牛小屋にして、猫の額ほどの庭先に牛をつなぐ、73歳の平田五美(いつみ)さんは岡山県北の限界集落で40年ほど前から牛を飼いつづけている。その牛は和牛のルーツといわれる「竹の谷 つる牛」、赤身の味は「奇跡」と表現する人もいるほどだ。しかし、「肉は霜降り」という考え方が広がり、一度は血統が途絶えてしまう。その牛を平田さんが一人で復活させ、血をつないでいるのだ。
牛の価値が霜降りと肉の量できまる現在、肉本来の「赤身のうまさ」にこだわる竹の谷つる牛は和牛業界では異端の牛だ。それでも竹の谷つる牛を、そしていずれ来るといわれる危機から和牛全体を守るため、孤高の戦いを続ける平田さんを追う。