10月30日(水) よる8:00~8:54

国吉康雄 動乱の「美学」 ふたつの国とふたりの私

岡山市に生まれ、[17才]で独りアメリカに渡った若者は47年のアメリカ暮らしの末に、画壇の頂点に登り詰める…。

国吉康雄…棄てた祖国と、愛した国の戦争という悲劇の狭間で苦悶する波乱の人生であった…。

戦争を挟んで描き続けた“国吉の女”や、戦後のマスクを付けた不気味な群像など、最も分かり難い絵を描く画家とも言われる…。
国吉の絵を読み解く「鍵」は、描かれた“時代”にあるとされるが、移民の国アメリカの底辺に生きる“国吉の女たち”はそれぞれに遠い祖国の戦火を案じ、暗い表情を浮かべる。ふたつの国の狭間にあって、引き裂かれた自らのアイデンティティを問い続ける移民たちの苦悩は、国吉自身のものでもあった。

没後60年の今年…番組は、岡山が生んだ画家、国吉康雄の美学と波乱の足跡をアメリカなど3カ国の取材を通して描く。