「変わって行くパリ」

まだまだ閉まっているところも多いし、普通に出勤は約6割で、4割は自宅テレワークと、今週のニュースの統計発表。先月は失業も労働人口の11.5%というし、今回の伝染病による経済打撃は計り知れず、コロナ以前の状態にまで回復するのは2022年半ば迄かかると発表しているのはフランス銀行、パリジャンの生活様式が変るという。会議や集会もまだ人が集まれず、人が寄ればマスクや衝立を立て、空間を空ける規制が厳しく、テレ会議、テレ通知、テレ発表に切り替わってしまっている。電波機器に弱い、従来型の紙プリント中心の人間には、ついて行けない世の中になったと思う。

レストラン、カフェは、外のテラスだけが許可されたが、室内に客を取ることは6月22日まで禁止されている。映画館、美術館などもまだ多くは開かれない。もうフランス人の生活に欠かせないバカンスが目の前で、観光立国(言ってみれば水商売)に頼っているわけなので、ホテル、宿泊施設、貸切バスをはじめ、旅行業者は多くて放置できず、営業させなかったら経済的に完全にお手上げとなる。伝染のおそれから外国人旅行者は入れられないし、今年の外国旅行はあきらめて、フランス人はフランス国内の良さを見直しなさいとキャンペーンに力が入る。

パリ市は道路を閉めて、カフェのテラステーブルを歩道に拡げる許可を出している、緑の木陰の下での喫茶、気候はよいし素敵だろうなと思う。道端で車や通行人も通るのにテラスに座っても、あまりいいとは思えないのだがフランス人はみんな大好きである。冬でも暖房器つけてまでも、テラスが好きである。もっとも建物内では、いまは全部禁煙になっているから、食事もテラスでとりたがり、ゆっくりと室内でボーイの気を付けたサービスを受ける方が余程いいのに、どうもこのテラス趣味は馴染まないのだが。

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