「ストライキにもめげず」

パリ日本文化会館では第14回キノタヨ現代日本映画祭のオープニングが11月末開かれた。この1~2年に製作された15本の若い監督の日本映画が選ばれ、11本がコンクール参加、明年2月まで各地で上映される。14年目ともなると形も整い、日本大使館も応援のもと新人監督にとって、フランス市場へのコンタクトのチャンスだから熱が入る。現在は知られて来て、大体満席に近い鑑賞者が毎回集まるようになり、映画の伝える日本は、やはり人に訴える力が大きい。

日本文化会館で興味あったのは、「木の体験」という演劇、日本に滞在したフランス人劇作家と日本人の能楽師の二人が、対話と動作で能を中心に両国の文化の違いを浮き彫りにしてゆく芝居、いろいろな手法がある物だと感心した。

日本文化会館ホールの展示も興味あり、先月のパリのモード専門高校ポール・ポワレ校と足利銘仙の共同企画の展示は、意外な本格的充実された物で、あまり一般に知られず終わったのが残念。現在12月末まで展示の「四国遍路」の写真展。パリ在住カメラマン山下郁夫の写真と、普通の観光商業写真の両者の写真が10数点ずつ並んでいて、プロ作家カメラマンとの腕の違いがくっきりと分かり、見飽きない展示が続いている。我が家から近く、ここには何時も発見があり、ストライキでも歩いて行ける。

2019年12月10日 赤木 曠児郎

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