岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2019年9月18日

「東京からパリに帰って来る」

個展のため日本に3週間暮らし、またパリに帰ってきた。東京の中心部で暮らしたが、現代高層ビルの立ち並ぶ町の景観、豊富な商品に溢れ、スマートな衣装と、マスクのようなお化粧に飾られる人たちの群れ、海外からの旅行者たちに、憧れられるのももっともだと納得させられてしまう。ただし、お金に不自由しなければではあるが。経済や政治モラルはどんな事情にあるのか、問題は一杯なのだがピカピカにみがかれた車と、正確に走る新幹線や、飛行場を利用する人たちの群れをみれば、豊かな街である。ラフな恰好の外国人旅行者、暑いから半パンに大きな旅行荷物を抱えてあるくのは、決まって欧米からの旅行者で、安いところを求めて、節約旅行に努めている。オドオドしながら小さくなって欧米社会を見学に訪れていた、半世紀昔の日本人がすっかり逆転しているのである。日本の都会の町中のインフラ整備も、すっかり清潔に手入れが行き届いている。人件費の高騰で節約され、歴史的な過去の装飾が豪華でも、工事中や不潔が目に付き、いつまでも放置される欧米の街角と対照的でさえある。

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