「夏の出来事」

この先週から現れたのは、単なるデモ集会や、ごく一部の暴れることが目的の人たち、商店を襲ってウインドウを壊して騒ぐ人たち(これはほんの一部でフランス人でも眉をひそめて、評判は悪いのだが、たちの悪いのが人間の集団だから必ずいる)ではなくて、南仏の地方なのだが、政治不満で地方の政党事務所を襲ったり、代議士事務所、市役所などの壁に黄色いペンキで、不満を落書きの風潮の黄色いベストが現れて大きく報道されている。税務署や事務所の門前にダンプカーで農作物や汚物を運んできて、ドサーッとばら撒く直接的なのもある。カナダとフランスが貿易自由協定を結び、自分たちの農産物への保護が取り消される不満の表現というような性質のものである。小さな村の村長さんが不満の暴力にあって死亡の事件も今週二件も起こり、全国的に報道や議論されている。今朝のテレビに流れる世論調査では、83%のフランス人は自分の町の市町村長さんに満足と答えたが、38%の人が選挙で選ばれる人たちに満足、国会議員については33%が満足(つまり67%は不満を持っている訳だ)。興味あるのは、70%の人が同じ議員の任期が何度も長過ぎると認め、66%の人が議員の手当の取り過ぎと感じると答え、議員は価値ある満足と答えた人が30%、市長は正直(公正?)と思うと答えた人が20%と画面に流れている。黄色いベストに集まる人たちの言いたいのは、フランスのモットーの「平等」を求めてである。議員にはいろいろ高い手当、特権が与えられ、選ばれた人があぐらをかいているのが対象なのだろう、ガラガラの国会議事堂の光景などもよくテレビに映る。

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