「ジャポニズム2018」

次々プログラムが並ぶが、初発の「深み」という古代から現代まで、日本美術のエスプリを紹介する展覧会は、中々のものであった。銀行家ロスチャイルド家の旧屋敷を全部使って、日本美術の良いところを上手くダイジェスト。フランスインテリア装飾とのアンサンブルが面白い。さすが国家事業で、中々見られない日仏所蔵の真物を運んで見せてくれるのには感謝である。本来なら大行列になるレベルのものだが、ゆっくりと鑑賞できて嬉しい。それでもバカンス中のパリで、これだけの人が集まっているのだから立派なもの、珍しい。

和太鼓のチームの公演とか、ミュージカル「刀剣乱舞」の公演、このパリジャン不在の時期に何故と、不審で心配だったのだが、後から聞くと良くしたもので、パリ初公演ということでみんなそれぞれ日本からの追っかけファンを持っていて席が埋まり、飛行機のチケットさえも取れなくなる様な実力者たちなのであった。最初から現地フランス人など相手にしていなくて、日本からわざわざやってきて贔屓のスターの「パリ公演」を見たことで、大満足の人たちで埋まっていたそうである。折からフランスではワールドサッカーW杯の優勝、湧き上がっていたが、この人たちには逆にサッカーには関係も、関心も無く、さっさとパリ公演を見たら飛行場に向かったそうで、日本も幸せな国になったものだとの感を深くした。自分の好きなものが、大切なのである。

2018年8月10日 赤木 曠児郎

page3/3