「2018年3月の近況」

2月の下旬から3月にかけての10日間、パリでは恒例の大農業見本市が開かれ、67万人と前年を越す大盛況の入場者だったが、開会前にマクロン大統領は700人の農業関係者をエリーゼ大統領官邸に招いて、食事会で驚かされた。続いての週は、パリモード週間が始まり200近い秋冬向け新作発表や見本市が集まって開かれ、賑わう週だった。今度は150人のデザイナーやモード関係者が、先週大統領官邸夕食会に招かれ、今週の大話題である。プレタポルテ見本市の会長は、このようなことが開かれたのは、1984年10月17日ミッテラン大統領の時以来35年ぶりの出来事だと、インタビューに答えていたが、プレタポルテ産業は現在フランスの国民総生産の1.7%に当り、57万人の雇用を生み出していると、言われている。1960年代までは、オートクチュールのクリスチャン・ディオール社がフランスの輸出No.1トップ企業と発表され、国策産業で保護されていた時代だったが時の流れを感じ、マクロン大統領40才の若さでフランスのトップに立って、地盤固めに努力しているのだなと感心する。前々のサルコジ大統領は、取り巻きの有名人ばかりを大事にして結局不人気、もう消えてしまっているのだった。

2018年3月11日 赤木 曠児郎

page3/3