岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2018年2月10日

「パリの岡山情報」

年末から正月以来、連日雨の降る日が続き、晴れていても急に雨がザーッと降ってくるような天気で、ほんの2・3日しか外で風景デッサンが出来る日がなかった。セーヌ河の流域は大増水、洪水水浸しの地区も沢山出来ている。その上、二月に入って大雪がパリにも降り、珍しく積もって消えない。半世紀以上パリに暮したが、これほどなのは見たことが無い、交通の大混乱が起こって、連日大ニュースである。
「メゾン・エ・オブジェ」という、インテリアグッズの大見本市があって、パリ・シャルル・ド・ゴール空港の近くの会場で、年に2回開かれる。とても効果的で有効なのが知られて、ジェトロ(日本貿易振興機構)を柱に日本からの各社出品も盛んで、1月は鹿児島県の県知事まで乗り込んでいた。先年は倉敷市もここにブース出品していたが、今年の倉敷市は1月と2月の2カ月間、市の商工課が中心となって、児島ジーンズや畳表製品など10数品目の地域特産品を、パリの日本人街の元画廊だった店舗に並べて、商談を狙っている。「伝産」(伝統産業)とか「日本発見」、日本のお役所や外郭振興団体がパリ常時展示店舗を複数誕生させていて、そこの一つを借り切ったのである。倉敷市観光宣伝と経済振興のパリ市でのこんな催しは、ここ数年来続けられもう4回目になると思う。暗中模索、最初の2回は、市長さんの選挙民向けパーフォーマンスかとしか思えなかったが、市民側も理解したようでビジネスの形を誕生させつつある。何事も決断して、率先してやって見せなければ、始まらないものなのだと感心している。

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