ビラ・サントスデュモンの入り口
「パリを散歩」
パリの超高級住宅街フォーブルサンジェルマンにある、イタリア大使公邸で、9月20日より11月20日までの60日間、有名なレオナルド・ダビンチがローマからフランスに1516年に移住した、その500周年を記念して、仏伊親善の両国首相が主催の記念展が開かれている。ダビンチの本物は、パルマの美術館から来た小さなエスキースの1点だけだが、大きな記念カタログも編集され、当時の弟子たちの作品が、各地美術館から集められ展示される。何よりも18世紀初期に建てられた当時の貴族屋敷、パリ7区のお屋敷街の内部が見学できるのが、呼び物で必見。豪華な物で、広大な庭をふくめ、圧倒されるだろう。連日11時から17時まで入場無料の開放、テロ時代に豪気な物である。大使ご夫妻の案内で、パリ外国人特派員協会のメンバー一行に紹介される、お茶の会に参加する。
翌日は、モンマルトル地区の見学があった。丘の上のレストランで、モンマルトル共和国大統領氏と面会、パリ18区、北部をしめる海抜130メートルの丘は、河沿いの下の平地とは、全く違った気風を維持しているパリである。久しぶりに丘の坂道を上る。この共和国、1921年から続く組織で、内閣や大臣が国と同じで住民で組織され、山の振興に当たり、現在は2012年からアラン・コッカール氏が大統領。掏りや置き引き、山は事故が多いと、近年パリ在住日本人の間では注意喚起されているが、山の大臣に言わせると、下の町でも結構多いから変わりないですよ、とのこと。アジア系の観光者などやはり一杯あふれ、モンマルトルの山の空気は独特である。先週ブドウ畑で、1933年から続いているブドウ畑の収穫祭が行われたばかりだが、畑の見学と直産のワインを賞味する。18区役所の地下にカーブがあって、そこでワイン醸造されていて、フランス国唯一の酒蔵施設を備えた市役所だそうである。後、有名なキャバレ「ムーランルージュ」の楽屋に回って、30名の従業員が専門に、踊り子さんの毎夜のショーの衣装を点検している、そのアトリエの人達と交歓して見学を終わる。この数日の散歩の出歩きを終わり、またアトリエにもどり、自分の制作の日々である。
2016年10月12日 赤木 曠児郎
page3/3
≪BACK