「三週間、夢のバカンス」

 ペルーの首都リマも訪れたが、日系の元フジモリ大統領がいた国だけあって、意外と日本語の単語を話す人が居て、親日である。目下、大統領は失脚中だが、4月の大統領選挙に長女のケイコ・フジモリが挑戦中、至る所に大きく「ケイコ」とパネルや看板がある。現在支持率は第一位と高いそうだが、父親から奪い戻した旧スペイン系西欧勢力が継続維持するのか、気になるところ。飛行機による謎のナスカの地上絵見学でも、英語解説のあいだに、機長がクモだ、クジラだと、日本語で教えてくれるし、美術館の解説パネルまで、英語と並んで日本語でもされているので、日系移民のひとたちの努力に頭がさがる。
 エクアドルに寄り本物のパナマ帽を買って(現在はベトナム製が土産物屋で普通)、続いて開通150周年になるパナマ運河を、今回は太平洋側から大西洋側に抜ける。われわれの乗る船の通過料が一回2500万円相当、一人頭幾らになるか、お客900人乗りの船でご計算ください。それでも何日もかけて南米大陸を迂回するより安いのだそうである。もっと大きな船が通過できるように、150周年の昨年、記念に完成の予定で拡張工事を続けているが、まだ出来上がっていない。予定は予定、何かの事情で遅れるのには、みんな慣れている。運河の通過は、矢張り感激である。カリブ海側のコロンビアに寄り、ジャマイカ島に寄り、この辺りはコーヒーや、珍しい観葉植物、植物園の宝庫である。アメリカのマイアミから飛行機で、一飛びで帰って来た。暑い地帯を巡っていたので、パリはまだ暖房が入り、木の芽も吹いていない冬景色、また日常の日々である。

2016年3月10日 赤木 曠児郎

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