岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2016年3月10日

「三週間、夢のバカンス」

 南半球、中南米太平洋岸の船旅にでた。南極側に行く旅は10年ばかり前に行ったので、チリの首都まで飛行機で行き、そこで船に乗り今回は北側に上り、赤道を越えてパナマ運河を太平洋側から大西洋側に抜け、アメリカのマイアミで上陸、飛行機でパリに帰るコースで、3週間かかった。一度訪ねてみたいと思っていたインカの土地である。
 先頃パリのブランリー河岸国立先史美術館で、「インカとスペイン征服者500年展」が開かれたばかりで、興味をもっていたのである。南米というとインカ帝国が頭に浮かぶが、コロンブスがスペイン王室の投資でアメリカ大陸を発見、植民地征服者や宗教団体が押し掛けて、金や産物を西欧に強奪、紹介、スペイン王家は大変な繁栄を17世紀にする。その頃ちょうど南米で300年ばかり栄えていた大帝国がインカで、西洋史に名前が登場して有名になってしまったのだが、行ってみると紀元前2500年頃からいろいろな王朝や文明が興亡を繰り返していて、まだよく分からないのだし、馴染みが全然無い名前の連続である。どうも単純にメキシコはマヤ、南米はインカと思い込んで、単純に片付けてしまっていたようで、中近東はイスラムと思っても、少し入るといろいろな歴史や宗派に分かれて入り組んでしまうようなものである。

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