「2016年がもうすぐ」

 フランス中が大騒ぎなのは、12月6日第一次と、13日に決選投票の開かれる17の地方に分かれた、各地方の州議会議員選挙である。その話題と、国連気候変動会議でこのところ新聞は埋まってしまっている。特に先日の日曜日、州議会議員選挙でFNと略称される国民戦線、極右のグループが第一の党となり30%の票を集め、現政権の社会党をはるかに抜き、中道の共和党も抜いて、フランス中がひっくり返っている。決選投票でどんな結果になるか、まだ不明だが、このFNは昔のナチス(国家社会主義)と同視されるくらい、一般に毛嫌い用心されていた極右グループだから、段々人気を得てきたことに大ショックなのである。近年の移民騒ぎ、イスラムテロが大きく響き、それに社会党政権は減税の公約、実行はするのだが、収入の確保も欠かせないので、一方で下げても、必ず別の名目で税収財源を作る。日本と同じように年間収入の二倍も借金のあるような国家財政で、国際援助とか国家支出の節減を計らねば成り立つわけがないので、結局実際には税金は毎年増えて不満、社会党政権不信になっているのである。確かにこの国の社会保障や、国民医療保険、年金の制度は、世界に先駆けて進んでいる。しかし万年赤字を抱えてどうするのか、35歳の大蔵大臣を任命して世界を驚かさせているが、大胆な政策も労組始め既得権を確保の、デモばかりに出会って難航である。

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