岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2015年11月10日

「舛添知事万歳」

  東京都知事舛添要一氏が来仏、日仏経済交流委員会の主催で、パリ商工会議所の超豪壮な、元ポーランド貴族のお屋敷に建てられた本館で、300名の出席者の前に、世界第4の国際都市東京のキャンペーン講演会、2020年オリンピックの前宣伝に熱が入る。一番の驚きは都知事自身がフランス語で講演、人々の心を掴んでしまったことだった。学生時代をパリで過ごされたとあって、ここで通じるフランス語なのである。よくこのような講演会に出席するけれど、通じるなんて、まったく珍しい出来事だったのである、NHKの磯村さん以来と言っても良いかも知れない。なまじの英語で講演に見える方もあるが、まずは分からない。その前日もフランスの国際政治科学研究所で、某大学教授の安倍政権の解説英語講演、不明でさっぱり盛り上がらずお茶を濁した程度、このようなことが通常多いのである。それでも外務省の肝煎り事業で、税金から日本の国際発信のための旅費など支出され、ご本人の日本向け経歴には、赫々たる名誉に記入されるのには間違いない。オリンピックには、競技場コンペ、ロゴマークなど心配になることの連続だが、舛添都知事のこの国際性ならば、安心できるのではと思わせられるくらいの説得力で、人間としての信頼を呼び起こす出来だったのである。通常毎回思うのは、下手な外国語で講演するよりは、優秀な通訳に経費を惜しまず、堂々と日本語で自分の意見を述べて頂くのがベターに思う。良い講演には良い質問が集中し、沢山出る。質問も出ず、質問もさせずに終われば講演は失敗だったのである。日本人は「時間の関係で」などと質疑応答を省略、避けたがるが、それならばやらないほうが余程ましだと、フランスでは思われている。

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