「3年ぶりの日本個展」

 バブルの弾けた20年前、景気の良さに沸いて膨張、拡張したものを退け々々で、撤退引き締めて節約して見せるのが、民間企業の支店長の仕事や腕の見せ所だったような気がする。日本からの企画催しも最低に引き締め、海外はぐんと減った時代がつづいた。そうなると、その間に中国が入れ替わって大きく進出、拡張してきて、近年日本を言う人は少数派になっていた。ところがこのところ、アベノミックスとやらの掛け声で景気を優先、インフレの危険も怖れず紙幣を印刷してばら撒くのが浸透して、海外催しも復活してきているようである。どうしてかと言うと、在仏日本雑誌記者会というサークルを開いていて、ひと頃火の消えたようだったのが、問い合せや、催し通知がまた復活、増えてきているのが感じられるからである。民間企業はまだまだだが、省庁、役所が腕を振るって予算を獲得、助成金予算などを潤沢に持って、海外進出の呼びかけという仕事作りに精を出している姿が浮かびあがる。JETRO(日本貿易振興機構)はそれが仕事だが、県知事頭の各県庁などの海外振興催しも珍しくなく、特に日本が観光立国を打ち出しているので、大義名分には不足無いのである。

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