「ブト-に行く」

 今月は、昨年9月に亡くなった、1970年代からヨーロッパに知られたカルロッタ池田の追憶、直接指導を受けた石渡真伊のUTTのソロ公演2夜、大駱駝艦の女性10人の舞台の我妻恵美子の「肉のうた」が3夜、これから22人の男性チームの麿赤児の「ムシノホシ」が6夜パリ日本文化会館でも続く。筋書き脚本もあり、意外な舞台装置も工夫されて、退屈させないショー効果も満杯。見慣れると今度はどんな工夫で裸体の群像を見せるのか、いろいろな手を考えつくものだと結構楽しんで、裸婦のタブローのヒントにならないかと欲張ったりもする。前回が金粉ショー、今回の「肉のうた」は数人の人体を大きなサランラップで一つの大画面に包み、それぞれの裸体がラップの中で動く効果の不思議さ、光をあて、アイディアが楽しいのである。これが日本舞踊公演となると、衣装の目新しさ、エキゾチックで最初興味は引くが、こちらの人には意味が分からず、曲も分からず、あまりに動かないので、幕間休憩が入ると半分は空席になる。パリ日本文化会館がブトーの、晴れ舞台の一つになっているのは間違いない。
 コンサート、演劇舞台、政治講演会、新製品発表、料理、パーティ、スポーツ、映画、毎週々々山と繰り返されるが、報道レポーターならば全てに目をくばるべきなのだろうが、まことに申し訳ない。

2015年6月10日 赤木 曠児郎

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